良く指導で「パススピードを上げろ!」と指示を出しますが、なぜサッカーにおいてパススピードを上げた方が良いのか?を改めて整理したいと思います。
まず、『ボールはピッチ上で誰よりも早く走ることが出来、そして疲れることはない』という大原則があり、そこも踏まえてメリットを書きたいと思います。
パススピードを上げるメリット
- インターセプトされにくい
- ボール保持者に時間とスペースが出来、より選択肢が増える
- ファーストタッチで相手のプレッシャーをかわしやすい
- より狭いスペースにボールを運ぶことが可能
- より速く相手守備にとって守りにくい攻撃が可能に
以下、メリットと一つひとつ説明していこうと思います。
・インターセプトされにくい
⇒パススピードが上がることによって、DFがパスの移動中にアプローチできる時間が減り、距離が短くなります。よってパススピードが上がることでインターセプトしにくくなります。
また、無理にインターセプトをDFが狙い、DFのポジショニングがより前がかりになると背後を取りやすくなります。
・ボール保持者に時間とスペースが出来、より選択肢が増える
⇒これも同様にパススピードが上がることで相手のアプローチの距離が短くなるので、ボール保持者がコントロールする瞬間に相手DFが寄せられる距離が遠くなるので、時間とスペースが出来、時間とスペースが出来ることでボール保持者の選択できるプレーは増えます。
・ファーストタッチで相手のプレッシャーをかわしやすい
⇒パススピードが上がることで相手に寄せようとするとアプローチのスピードを上げる必要があります。アプローチのスピードが上がる=止まりにくい・方向転換しにくい状況が生まれるので、よりファーストタッチで相手をかわしやすい状況が生まれます。
・より狭いスペースにボールを運ぶことが可能
⇒これも基本的には同様の理由で、パススピードが上がることでパス移動中にDFが動ける距離が短くなり、DFが動ける距離が短くなることはインターセプト出来るスペースが狭くなるということに繋がります。
・より速く相手守備にとって守りにくい攻撃が可能に
一つひとつのパススピードが上がったところでわずかな時間しかないですが、パススピードが上がった状態で数本繋がると秒単位でボールの移動時間が減ります。
ボールの移動時間をトータルで短縮できることはDFの帰陣の距離や寄せる距離に大きく影響し、ゴールを守りにくい状況やボール保持者によりプレッシャーをかけにくい状況を作ることが可能になります。
単純に考えても50m7秒で走るとしても1秒短く出来たら7m走れなくなるということなので、効果は絶大だと思います。
パススピードを上げることの弊害
- 速いパスを止める技術が必要
- 早いパスを正確に蹴る技術が必要
- ボール移動中に周りを観る時間が減る
まとめ
大前提として高い技術と認知能力がフィールドプレーヤー全員に必要となりますが、捉え方を変えればパススピードを上げることによって生じる弊害は全てトレーニングで解決可能ということになります。
かつてのバルセロナや今のマンチェスターシティ・川崎フロンターレはGKも含むチームのほぼ全員が高い技術と認知能力を持っておりそれを最大限に活かすことでより高い得点力を発揮しています。
ローマは一日にして成らず。
日々のトレーニングの積み重ねがより高い次元のプレーを実現し、勝利とエンターテインメントを同時に追求する原動力になっていると思いますし、現代サッカーでは高いレベルのパス&コントロールの技術は必須と言っても過言ではないと思います。
指導でも何気ないパス&コントロールを毎日行ってパススピードと技術レベルを日々上げていきたいと思います。
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