今回は小学生でも知っている⁉基本的な守備の個人戦術を書いていこうと思います。
指導する立場になり痛感することですが自分が当たり前に出来ることをなぜなのか?を上手く言語化するのは極めて難しく、そして言語化出来ていないことは真の意味で理解が出来ていなことだと感じます。
小学生でもわかりやすいシンプルな言葉で言語化出来て初めて選手に落とし込むことが可能になると思いますので、一度整理しておきたいと思います。
マンマークのポジショニングの原則
- 相手とゴールを結んだライン上(リトリートライン)を意識したポジション
- ボールと相手を同一視出来る身体の向きを確保できるポジション
- インターセプトが狙える、かつ、背後を取られないポジション
基本的にはこれらの点を意識してポジションを取ります。
もし、相手との距離が近すぎると・・・
⇒インターセプトは狙えるが、簡単に背後を取られる
もし、相手との距離が遠すぎると・・・
⇒背後は取られないが、インターセプトが狙えない
レベルが上がれば身体の向きが間違ってたりポジショニングが1歩ズレているだけで相手にマークを外されますし、サッカーはアウトオブプレー時、セットプレー時以外は基本的には刻々と状況が変わるスポーツなので状況に応じて正しいポジションを取り続ける必要があり、言葉でいうのは簡単ですがそれを1試合通して実行し続けるのは至難の業だと思います。(守るゴールは動きませんが、ボールと相手は基本的には動き続けます。)
チャレンジの優先順位
チャレンジは前に「ボールを奪いに行く」という言葉を入れたらわかりやすいかと思います。
相手のボールを奪いに行くチャレンジをする順番を整理します。
- インターセプトを狙う(相手のパスをカットする)
- 相手のファーストタッチ、コントロールを狙う
- 前を向かせない
- ディレイ(相手の攻撃を遅らせる)、ジョッキー(相手のプレーを制限し、意図した方向へ追いやる)
守備時に自分のマークしている相手にパスが入るときに、まず、パスを奪いに行く。
もし、パスを奪えなかったらパスの転がっている間に出来るだけ相手との距離を詰めて相手のファーストタッチ・コントロールを奪いに行く。
もし、相手のファーストタッチ・コントロールを奪えなかったら出来るだけ相手との距離を詰めて前を向かせないようにする。
もし、相手に前を向かれたら相手の攻撃を遅らせて、相手との距離を詰めてプレーを制限し意図した方向に追いやる
以上がボールを奪いに行くチャレンジの優先順位となります。
アプローチの原則
ボール移動中・パスが転がっている間に相手との距離を詰める(寄せる)アクションのことをアプローチと言います。
アプローチの原則は
- ボール移動中に出来るだけ寄せる(可能ならばインターセプトを狙い、相手に寄せることでプレッシャーをかける)
- 相手のファーストタッチ・コントロールの瞬間には相手のあらゆるアクションに対応できる体勢を取る
- ボールを奪うチャンスを逃さない
相手がボールを操作できる状況に無理に寄せると相手に簡単に剝がされてしまうので、相手がボールを操作できない状況なら出来るだけ寄せ、相手がボールを操作できる状況なら相手の動きに対応する。といったことが原則になります。
ちなみに相手がボールをボールを操作できない状況は
- ボールの移動中(パスが転がっている時)
- ボールが浮いている時
- 相手からボールが離れた時
が考えられます。
守備時の姿勢・体勢
- 身体の向きは相手と正対し足は前後にして半身で構える
- 構えるときの重心は後ろ6、前4
ボールを持っている相手に対しての守備の原則
- ボールとゴールを結んだライン(リトリートライン)上にポジションを取る
- ボール保持者に対してプレッシャーをかける(相手の自由・選択肢を奪う)
- ボールを注視する(相手のフェイントにかからない。ボールを奪うチャンスを逃さない。)
相手との間合い
- 相手が止まっている。またはスピードに乗っていない場合⇒出来るだけ素早く相手の近くまで寄せる(1.5ⅿ前後の距離、相手のシュート・キックをブロック出来る距離)
- 相手がスピードに乗っている場合⇒相手の近くまで寄せ過ぎず相手と入れ替わらない距離(3m前後)を取り相手のスピードを吸収しながら対応し、徐々に相手との距離を詰めていく
構え・ステップワーク
- 守備時の体勢を意識しながら出来るだけクロスステップを使って対応(バックステップ・サイドステップはどうしてもスピードが落ちるため極力使わない)
まとめ
以上が守備の個人戦術の基本となります。
基本的なことなので小学生でも知識として知っている選手はいると思いますが、実際に正しいポジショニングや対応を取り続けることはトレーニングやゲームを通じて試行錯誤を経て自分自身で獲得していくしかありません。
個の力が重要とよく言われますが、守備においての個の力の定義は『相手に剥がされることなくボールを奪いきる力』と言い切っていいと思っています。(あくまでも自分自身の中で出した結論です。)
先日、ブンデスリーガで遠藤航選手がデュエル勝利数でリーグ1位になったという報道がありましたが、攻守において個の力が高い選手が多いほうが局面で優位に立つ確率が高くなります。(当たり前ですが・・・💦)
指導している選手の守備の個の力を上げられるよう日々精進したいと思います・・・
コメント